グループチーフからのご挨拶

循環器内科/抗加齢血管内科

すべての患者に最新、最適な医療を届ける。

野間 貴久

准教授
野間 貴久
NOMA, Takahisa

日本では心血管疾患による死亡が癌死亡に次いで2番目に多く、近年では高齢化に伴い65歳以上で脳卒中と心臓病による死亡が癌死亡と同等になり、75歳以上の後期高齢者で癌死亡を上回っています。循環器内科/抗加齢血管内科は、心臓・血管疾患を専門領域とし全身の循環を診る内科であり、我々の対応させていただく患者数は近年、増加の一途をたどっています。急性心筋梗塞の急性期死亡率は、カテーテル治療の普及やCCUの整備によって改善しましたが、慢性期の心不全が新たな問題となっています。慢性心不全は、心臓のポンプ機能不全で各心臓疾患の終末像です。さらに症状が出現してからは難治になり患者さんの多くは病状が進行していきます。現在、わが国では心不全パンデミックと表現されるように慢性心不全患者数が増加しています。

香川大学循環器内科/抗加齢血管内科は、救命救急センターと連携し24時間体制で急性期心血管疾患の受け入れを行い、独自のCCUや集中治療部ICU、救命救急センターICUで循環器診療を行っています。冠動脈疾患や末梢動脈疾患に関しては、他院から治療困難な患者さんを紹介していただき心臓血管外科とのハートチームで診療しています。不整脈に関しては、患者さんの多い発作性心房細動に対するアテーテルアブレーションや冷却された風船で組織を焼灼するクライオアブレーション、また心不全合併の持続性心房細動患者さんに対しても積極的にアブレーションを行っています。さらに頻脈性不整脈に対してのカテーテルアブレーションや致死性不整脈に対して植込み型除細動器の植込みを行っています。難病指定の心筋症に対しても、MRI、PET等の画像診断やカテーテル検査にて細密に診断し、治療を行っています。患者さんによっては心臓移植の適応の判断や移植施設への紹介が必要になるため、現在、移植待機中の植込み補助人工心臓の管理施設になるべく準備をしています。また、肺高血圧症には膠原病内科、呼吸器内科と協力し専門治療を行っています。脳血管疾患に関しては、脳神経外科と協力し急性期治療を行っています。本年4月からは各専門外来を開設し、よりご紹介や受診をしていただきやすくなります。各専門診療は多くの専門医によって行われていますが、今後増加する患者さんに対してより多くの専門医を育成する必要があります。さらに専門医のみならず、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、臨床心理士、ソーシャルワーカー、介護士等多職種のチーム作りを行う必要があります。

我々がこれらのミッションを行っていくために多くの医師が必要であり是非とも香川県でスキルアップを考えておられる医師の入局を歓迎いたします。患者さんに対しては、香川県内で安心して心血管疾患が治療できる環境を整備する事が我々のミッションと考えています。どうぞよろしくお願いします。

腎臓内科

検尿異常から腎移植まで、一貫した診療・教育・研究を目指します。

祖父江 理

講師(診療科長)
祖父江 理
SOFUE, Tadashi

腎臓研究室は、昭和56年の香川医科大学旧第二内科(循環器・腎臓・脳卒中内科)開設と同時に誕生しました。 讃岐の地における腎臓疾患に対する臨床・研究・教育の中心として、四半世紀の間、たゆまぬ努力を続けてまいりました。

腎臓研究室の創設は高光義博先生(元 兵庫医科大学病院 病院長)によってなされ、 以後、湯浅繁一先生(元 香川県立医療大学 学長)、高橋則尋先生(元 高松赤十字病院 腎臓内科部長)、 清元秀泰先生(現 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 地域医療支援部門 統合遠隔腎臓学分野 教授)と 歴代の輝かしいグループ長に引き継がれました。その後、平成26年1月までグループ長を務められた原 大雅先生の 香川大学医学部 地域医療再生医学講座教授へのご栄転を経て、現在に至っております。

高光研究室としてスタートした香川大学腎臓内科も、清元先生で高光先生の門下生としては最後となってしまいました。 しかし、腎臓研究室の基本スタンス「検尿異常から腎移植まで」は代々引き継がれており、それを合言葉に、 すべての腎疾患に対して最良の医療を提供するため、チームワークを重視し、 医局員一同の力を結集して全力で臨む事を信条としています。

腎臓研究室は平成26年6月28日より大学病院診療科となり、香川大学医学部附属病院腎臓内科として新たな道を歩み始めました。 現在の医局員はまだまだ若いとの御批判もあろうかと存じますが、使命感を持って、香川県のみならず、中四国、日本はもとより、腎臓病に対する新たな知見を世界に広め、実績を高めるために研鑽を重ねていく所存でありますので、 どうかよろしくお願いいたします。