谷 良介

谷 良介
循環器内科 谷 良介 【出身校(卒年)】愛媛大学(2015年卒) 【初期研修先】 【研修時期】

研究、教育、希少疾患。大学でしか経験できないことを一緒にやりませんか。

 私は令和4年4月で医師として8年目、当院の循環器内科へ入局して6年目になります。地元は香川ですが、愛媛大学の卒業生です。地元の医療に携わりたくて初期研修から香川大学卒後臨床研修センターのいわゆるMANDEGANプログラムに所属して、後期研修から循環器・腎臓・脳卒中内科学講座に入局しました。

 私は学生の頃から循環動態に興味がありました。それは、私の趣味が関係していたと思います。父親が乗り物好きということもあり、学生の頃から車やバイクに夢中になっていました。学生時代に朋友とバイクツーリング部を立ち上げ、日本一周は成りませんでしたが、四国や九州を一周した記憶が蘇ります。この頃にエンジンの仕組み(内燃機関)を学ぶようになり、エンジンの動作原理や技術はとても奥が深いことを知り、図解本などを手にとって濫読していました。バルブ・吸排気システム・電気システムなど、効率的にエンジンが働くために考えることは多岐に渡りました。話は逸れましたが、生物で言うエンジンは心臓に相当します。私の興味が心臓に向かうことに異論ありませんでした。

 小児循環器と迷いましたが、最終的に成人の急性期疾患に携わりたいと思い、循環器内科医を志しました。1年前から大学病院で勤務しておりますが、数年間は市中病院で働いていました。大学病院と市中病院を経験し、後期研修を終えて医師として8年目になる私の視点から、当院へ入局するメリットを少しお話しさせていただきます。

 循環器内科医として働く場合、大学病院と市中病院では大きく異なります。一般的に市中病院は、カテーテル件数が多く、急性期疾患を多く経験できるメリットがあります。一方、大学病院はカテーテル件数が多いとは言えません。しかし、臨床に加えて研究、教育、希少疾患に携わる機会が多いです。特に、研究に関してはやはり大学病院で働くメリットだと感じています。日々臨床にあたって疑問に思うことを問題提起し、研究や論文を報告するチャンスがあることは実に素晴らしいことだと思います。教育に関しても学生や研修医の先生がいない病院で働いていると緊張感がなくなり、人に教えるまで知識を深めることができません。学生や研修医の先生とお話しすることで、自然と責任感が生まれ、疾患や病態について踏み込んだところまで病態が把握できるようになっていると実感します。また、そういった経験が学会発表含めたプレゼンテーション能力の向上につながっていると思います。希少疾患に関しても、重症心不全に対する人工心臓、肺高血圧症など市中病院ではなかなか経験できない症例に携わることができることもメリットです。

 現在、サブスペシャルティ領域として電気システムに当たる不整脈・アブレーションの分野で日々研鑽しております。どの分野でも言えることですが、不整脈は奥が深く、日々の症例が成長に繋がっています。

 心臓という重要な臓器と向き合う立場であることから、色々な面でやりがいを感じています。循環器内科を考えている皆さんにも、この充実感を感じていただければと思います。医局に入って以前からの夢であった、30歳までにポルシェに乗る!という目標を達成したのは後期研修4年目の頃でした(残念ながら3年という短い期間で手放すことになりましたが)。大学でしか経験できないことを一緒にやりませんか。