家族性高コレステロール血症

家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia; FH)は常染色体優性遺伝という遺伝形式をとるため、親から子へ約2分の1の確立で遺伝する病気であり200~500人に1人いると考えられています。FH患者様は産まれた時から悪玉(LDL)コレステロールの値が高いため心血管疾患発症のリスクが高く、30~50歳で心筋梗塞を起こしたり、重度の狭心症を発症することが稀ではありません。そのためFH患者様をできるだけ早く見つけて適切に診断し、食事運動療法や薬物治療でLDLコレステロールの値を厳重にコントロールすることで狭心症などのリスクを下げることが非常に重要です。FHの診断は、まずはLDLコレステロール値が高いこと、そして、手の甲や肘・膝の黄色腫やアキレス腱肥厚、家族にFHや若年冠動脈疾患患者様がいるかなどから診断します。
平成24年度以降、香川県では小児生活習慣病予防健診(以下、香川小児健診)が実施されており、本健診では、毎年、県下の小学4年生ほぼ全員(約8,000名、実施率 95%)を対象として、脂質異常を含め小児生活習慣病に関連する血液検査が実施されています。香川小児健診でLDL-C値≧140 mg/dLを示したお子様に対して、医療機関への受診勧奨が行われております。
また、当院では毎週火曜日にFH専門外来を行っております。地域の病院・医院・クリニック様と協力してFHが疑われる患者様の早期診断や狭心症を含めた動脈硬化発症リスクなどの評価、治療を行ってまいりますので、FHが疑われる患者様が来院された際には、お気軽にご相談、ご紹介ください。
(詳しくは、下記、『小児生活習慣病予防健診を活用した家族性高コレステロール血症の早期診断と継続的支援のための保健と医療の連携モデル構築と動脈硬化進展予測バイオマーカーの開発』事業についてをご覧ください)

日本動脈硬化学会HP「家族性高コレステロール血症について」

『小児生活習慣病予防健診を活用した家族性高コレステロール血症の早期診断と継続的支援のための保健と医療の連携モデル構築と動脈硬化進展予測バイオマーカーの開発』事業について